ご挨拶

ご挨拶

私が20代の頃、家業の園芸店を継ぐために総合園芸店で修業をしつつ、フラワーデザインの勉強をしていた時にルドゥーテの絵と運命的に出会い、オールドローズに魅了されたことが、今のバラづくりやオールドローズの世界を広める仕事に繋がっています。

当時、紫玉、ロサ・ダマスケナ、ロサ・ガリカ・オフィキナリスがひっそりと咲いていた実家の庭園で、野生のバラの逞しさと繊細な花弁の可憐さに、その芳醇な香りに何度癒されたことでしょう。

ルドゥーテも描いた「 ロサ・ガリカ・オフィキナリス 」は、ローマ時代、薬用バラとして利用された品種で、暖地では力強く、寒冷地では伸びやかに軽やかに咲きます。
蕾が膨らみ始めた時の細く尖ったがくの先はとても愛らしく、このがくが開いてローズピンク色が見え始め、花弁が開くと蝶や蜜蜂達が集まり、花と虫と風の香りが渾然一体となった花鳥風月の情景に時を忘れてしまいます。

植物の人間に与える多感な情念、優しさ、力強さ、そしてその美しさを余すことなく描き切ったルドゥーテのボタニカル・アートの世界を一人でも多くの日本の方に知っていただきたく、2015年5月1日に、一般社団法人日本ルドゥーテ協会を設立しました。
微力ながら私は代表理事として、ルドゥーテの世界観と共にオールドローズの持つ限りない美の世界を、伝道して行きたいと願っています。

代表理事 後藤みどり